医療法人社団 慶心会
置塩泌尿器科クリニック
男性更年期障害
近年、女性ばかりでなく、男性にも更年期があるという「男性更年期障害」という考え方が一般的になってきました。そこで男性更年期障害の自己診断表を掲載しました。
以下の質問票のうち3問以上”はい”で男性更年期との診断になります。思い当たる方はご相談下さい。
- 性欲の減退を感じますか?
- 活力(エネルギー)不足を感じていますか?
- 体力・持続力の低下を感じていますか?
- 身長が低くなりましたか?
- 人生の楽しみが少なくなったと感じていますか?
- もの悲しい気分/不機嫌になりがちですか?
- 勃起力が弱くなりましたか?
- 夕食後うたた寝をすることがありますか?
- 最近、色んな仕事をする能力が落ちたと感じていますか?
勃起障害(ED)
勃起障害とは「満足な性行為が行えない状態」のことです。
原因は様々であり、精神的なもの、肉体的なもの、慢性的な病気(糖尿病、腎不全など)によるもの、薬剤による副作用によるもの等があります。
原因疾患があればその疾患を治療しますが、精神的なものによる場合はカウンセリングや向精神薬の内服などが行われます。
また最近日本でもよく使用されるようになったバイアグラやレビトラなどは海綿体へ血液を送り込み勃起させる薬剤で、どのタイプの勃起障害にも効果を発揮します。
勃起障害とは自分一人の病気ではありません。お悩みの方は思い切って相談してみて下さい。
淋病性尿道炎
原因菌と感染経路
その名の通り「淋菌」の感染により起こる尿道炎です。
淋菌は人間にのみ感染する菌で、体外では長期生存できません。
性的接触で感染し、尿道炎の他にも男性では精巣上体炎、前立腺炎を、女性では子宮頸管炎、膀胱炎などを起こす可能性があります。
そのほかに直腸や咽頭などにも付着生存したり、結膜炎や関節炎を起こすこともあります。
また分娩時の母胎から赤ちゃんの目に感染し、新生児淋菌性結膜炎(風眼)を起こすこともあります。4歳以下の女児では膣粘膜の防御作用が弱いため浴場での感染もありえます。
性行為による感染力はSTD中最強です。
症状と治療
感染機会後3~8日で発症し、排尿痛や尿道の腫れ、亀頭包皮の浮腫、尿道から膿の漏出などがみられます。
治療には適切な抗菌剤を内服して頂きます。抗菌剤の種類により期間は異なりますが、再発を防ぐためにも医師の指示を守りきちんと服用して下さい。また感染源の接触者(パートナー)も同時期に同期間の治療が必要になります。
非淋菌性尿道炎
原因菌と感染経路
STD性の尿道炎の中で淋菌以外の原因で起こっているものを総称して非淋菌性尿道炎と呼んでいます。
原因菌はいくつかありますが、確実なものとして、クラジミア、ウレアプラズマ、トリコモナスがあります。
中でもクラミジアは非淋菌性尿道炎の約60%を占めていると言われています。感染経路は性行為による。
症状と治療
どの菌でもほぼ同じ症状がみられます。
潜伏期間は10~14日で、排尿痛や尿道分泌物がありますが淋菌性よりも症状は軽いことがほとんどです。クラミジアによる感染を起こしてから1~4週間後に結膜炎や関節炎、時には皮膚の紅斑をみることがあります。
治療には原因菌に適した抗菌剤の服用が必要になります。こちらも再発を防ぐため医師の指示に従い服用するようにして下さい。
前立腺炎
前立腺炎は急性と慢性に分けることができます。
急性
急性前立腺炎の原因菌のほとんどは大腸菌であるが、淋菌やクラミジアによるものもあります。座り仕事をする方がかかりやすい疾患のため、デスクワークをする中高年によく見られます。症状は悪寒、戦慄を伴い発熱し、排尿痛、頻尿、尿混濁があり、発熱を除けば膀胱炎と似ているためしばしば誤診がありますので注意が必要です。
急性の場合は敗血症を起こす可能性があり、早期に適切な抗菌剤を投与する必要があります。治療は2週間ほど続くことがありますが、慢性への移行を防ぐためにも必要な治療となります。
慢性
慢性前立腺炎は、急性から移行するものや、はじめから慢性の形で起こるものがあります。発熱はほとんど無く、尿道不快感、排尿困難、排尿痛、頻尿などがありますが、あまり症状は強くなく不定愁訴に近いのが特徴です。
精神的要員も原因としてあげられるため、ED(勃起障害)を訴える方もいます。慢性前立腺炎は再発することが多く、完治しにくいため治療が数ヶ月に及ぶこともよくあります。
腎盂炎
腎盂腎炎は急性と慢性に分けることができます。急性の腎盂腎炎の多くは女性に起こり、慢性の腎盂腎炎は男性に多く起こります。
急性
急性腎盂腎炎の原因菌としては大腸菌がほとんどであり、膀胱から大腸菌が逆流して腎まで達したときに起こります。症状は激烈で、悪寒戦慄を伴い発熱し、腎部に疼痛があります。また膀胱炎を併発しやすいため頻尿や排尿痛、尿混濁(膿や血が混じる)がみられることもあります。治療は適切な抗菌剤の投与となります。
慢性
基礎疾患(前立腺肥大、膀胱や腎の腫瘍)があると慢性化しやすく、基礎疾患を治さないと全治しにくいため治るまでの期間も長引くことがあります。一般的に慢性でも症状は急性と同じですが、急性よりも軽い場合がほとんどです。
慢性の場合はまず症状を抑えておき、基礎疾患を見つけ治療していくことが大切です。
基礎疾患の症状と重なり発見が遅れることもありますので専門医への受診が必要です。
膀胱炎
細菌性の膀胱炎は尿路感染症の中で最も多くみられる疾患です。感染の原因となる菌は大腸菌がほとんどです。
細菌性の膀胱炎では、細菌が尿路を逆行することで起こることが多いため、男性に比べ尿道の短い女性は掛かりやすくなります。
膀胱炎になると、頻尿、排尿痛、尿混濁の症状が出てきます。頻尿はひどくなると10分おきに排尿したくなり、尿混濁では膿や血が混じることがあります。
膀胱炎になってしまったときは、適切な抗菌剤を使用し、水分を多めにとり、排尿回数を多くし、膀胱内で細菌が増殖しないようにすることが大切です。普段から水分を多めに採り、トイレは我慢せず行くように心がけて下さい。
尿路結石症
尿路結石症は、尿路疾患の中でも最も多くみられる疾患の1つです。文字通り「尿路」に「石」ができる病気で、石の成分はカルシウムやシュウ酸、リン酸などのミネラルが有機物質と合わさり結晶となったものです。尿路(腎・尿管・膀胱・尿道)に結石のあるものを尿路結石症と言い、さらに上部尿路結石(腎・尿路)と下部尿路結石(膀胱・尿道)に分けられます。30~40歳代での発生が最も多く、20~50歳代でその大半を占めています。また男性は女性に比べ3倍多く発症しやすく、下部尿路結石に関しては6倍多いというデータがあります。
症状
尿路結石の症状は、結石がどの場所にあるかによって違ってきますが、ほとんどの結石で痛みを伴います。
尿路結石症では自然に尿と共に結石が出てくることがあり、軽い排尿痛と共に「なにか硬いものが便器に当たって音がした」と言うことも多いようです。
腎結石
疼痛、血尿、結石の排出などがあります。
尿管結石
疼痛、血尿、結石の排出などがあります。尿管結石の約7割の方が腰や側腹部、下腹部に痛みを伴い受診されます。
膀胱結石
膀胱刺激症状、排尿異常などがあります。膀胱結石では必ずと言っていいほど感染症を併発するため膀胱炎の症状(頻尿、排尿痛、残尿感、血尿)などもみられます。
尿道結石
排尿障害、疼痛、出血などがあります。結石のある尿道の場所によっては外から触ると結石を確認できる場合もあります。
治療
尿路結石の治療は結石の大きさや場所、痛みの強さなどにより方法が変わってきます。
小さな結石や結石成分の種類によっては、薬で結石を溶かしたりすることもできます。大きな結石になると体外衝撃破砕石術が第1選択となります。しかしどの治療をする上でも「十分な水分補給」と「バランスの取れた食事」が基本となります。
結石の予防
尿路結石は尿中の成分が結晶化してできるものですから、体内の水分が不足したり、疲労で尿が濃くなったりしていると結石ができやすくなります。1日2リットル以上の尿量があらゆる成分の結石予防に最も有効であると言われています。また「結石は夜作られる」と言われていますから、夕食後の適度な水分補給が大切です。ただしコーヒーやアルコールは利尿作用があり、さらにプリン体やシュウ酸を多く含み逆効果ですから注意して下さい。
食事に関してはシュウ酸含有量の少ない食事を心がけることが大切です。例えば、多くの野菜類、馬鈴薯、キノコ類、海藻(結晶化を防ぐマグネシウムが豊富)、魚類(結石を減少させると言われている)などはおすすめですが、どれも食べ過ぎには注意して下さい。野菜ばかりに偏ると逆にシュウ酸のとりすぎで結石ができやすくなります。バランスを重視した食生活を心がけて下さい。要は体内を結石のできにくい環境にすることが大切なのです。
尿路結石のできた人の約半数の肩は再発すると言われています。普段から再発予防のために「水分」と「食事」に気をつけるようにしましょう。また再発予防も含め早期発見のためにも定期的な検査を忘れずにするようにしましょう。